リハビリの成果が少しずつ。
父のリハビリを見学させていただきましました。
なんと、自分で手すりにつかまりながら、
階段を10段ほど登って、降りてきました。
驚きです。
もちろん、用心深く理学療法士のF先生が
サポートしてくれてのことです。


父は意外なほど慎重で、こわごわとゆっくり
時間をかけて一歩一歩を繰り返します。
日常生活を送るにはあまりに心もとない
歩きですが、それでも素晴らしいと思わずにはいられません。
杖で歩く練習もし、途中で杖を落としてしまったのですが、
「では、自分で拾いましょう」というF先生の
声を聞いて、折れた足をかばいながら必死に
かがんで拾い上げた時は思わず拍手をしてしまいました。
(見せ物じゃないんだってば! 笑)

その後少し筋トレらしきことをして、
今日のリハビリは終了。
96歳にしては頑張った方だと思いました。
ただ、少し心配なのは
父が怖がりすぎて、車椅子に座ると
安心した表情をのぞかせることです。
本来なら歩行機でトイレまで行けるというのに、
看護師さんに車椅子で連れて行ってもらいたがるのも
気になります。
車椅子に慣れてしまえば、もしかしたら周りも安心だし、
本人にとっても楽なのでしょうが、それでは
どんどん筋力が落ちてしまいます。
なんとか自分の足で歩けることに
喜びを感じてもらいたいと心から願います。
「認知症の方は、むしろ恐れを知らずに
どんどん歩いてしまうのですが、
頭がしっかりして分かっているから
必要以上に慎重になってしまうんですね」
とF先生は言います。
父は大腿骨に入れた人工関節が外れる体勢があることを
私たちがしつこく忠告したため、
それを恐れてなかなか自由に
動けなくなってしまったようです。
ともあれ、リハビリはまだ続けていただけるそうなので、
車椅子に慣れるより、歩くことに慣れてほしいものです。
それから、あと2週間ほどしたら、
一度家に帰って様子を見る機会を
与えていただけるということでした。
父はそれを聞いて、
さぞかし喜ぶことだろうと思ったのですが、
反応はイマイチ。
「そうか」とつぶやくだけでした。
父の中では、我が家はもう過去のことに
なってしまったのでしょうか。
入れ替わり立ち替わり世話をしてくれたり、
声をかけてくれる人もいない
我が家は、帰りたいと思わせる力を
失ってしまったのでしょうか。


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