信じる力。座布団の使い道。
この数日、ひどい風邪を引いて寝込んでいました。
ブログも更新できずにいました。
病気になると母への食事や煎じ薬が
ちょびり重たく感じることもあります。
風邪をうつしたくないので、
宅配ボックスに届けています。
気もちはあっても無理な時もあると
伝えようかと思ったりします。
◎
でも、結局、母の食事も漢方も
自分でやってとは言えませんでした。
母は、父を迎え入れる覚悟を決めたかのように、
頑張りはじめました。
89歳の病気の身を押して
父を迎え入れる気になっています。
その姿を目の当たりにして、
どうして母を応援しないでいられるでしょうか。
私はいつものように煎じ薬と
数日分の食事を作っては届け続けています。
母は私の食事がおいしいから元気になった。
お父さんとふたりで頑張ってみる。
お父さんの介護もできる気がする。
と言ってくれます。
懸命な母の姿は、弱々しくはあっても
私には強く立派に見えます。
しかし、それもおそらくそう長くは
続かないかもしれないと思いもします。
でも、父と母の蜜月がもう一度訪れることを
祈った私にとって、
その機会が与えられるだけで
心穏やかでいられます。
母に感謝です。心からそう思います。
一般論的に言えば、96歳の大腿骨骨折は
致命的だと言う人もいる事でしょう。
一般論的に言えば、89歳の老婆の老老介護は
無理だという人もいる事でしょう。
でも、私には信じる力が
一般的より少しだけ多く
備わっているのだと思います。
父を、母を、私は信じています。
◎
そういえば書き留めておきたい母のエピソードがあります。
不要品を捨てる捨てないの喧嘩の際、
客用の立派な座布団が5枚、
部屋の隅に積み上げられていました。
「この座布団、誰が使うの?」と私が言うと
「それは捨てたくない」といつもの返答。
「でも、お父さんは帰って来れたとしても、
座布団には座れないのだから、いらないよね。
お母さんだって、もう何年も座った事無いよね」
「そうだね。………」
「何か使うあてでもあるの?」
「うーん、そういうわけでもないんだけど……」
「お母さん、言いたいことがあるなら、
きちんと言った方がいいよ」
「じゃあ、1枚だけでもいいから残しておきたいの。」
「えっ! 何のために?」
「……もし私が死んだ時に
お線香を上げにきてくれる人がいたら、
多分、いないと思うけど……、でも、もし、
そういう人がいたら、
この座布団に座ってほしいと思っているの」
絶句!
というわけで
晴れて座布団6枚のうち2枚は
捨てられる運命から
逃れる事ができました。
母の意思を応援するのが
私の努めだと思ってきたのですから、
仕方ありません。


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ブログも更新できずにいました。
病気になると母への食事や煎じ薬が
ちょびり重たく感じることもあります。
風邪をうつしたくないので、
宅配ボックスに届けています。
気もちはあっても無理な時もあると
伝えようかと思ったりします。
◎
でも、結局、母の食事も漢方も
自分でやってとは言えませんでした。
母は、父を迎え入れる覚悟を決めたかのように、
頑張りはじめました。
89歳の病気の身を押して
父を迎え入れる気になっています。
その姿を目の当たりにして、
どうして母を応援しないでいられるでしょうか。
私はいつものように煎じ薬と
数日分の食事を作っては届け続けています。
母は私の食事がおいしいから元気になった。
お父さんとふたりで頑張ってみる。
お父さんの介護もできる気がする。
と言ってくれます。
懸命な母の姿は、弱々しくはあっても
私には強く立派に見えます。
しかし、それもおそらくそう長くは
続かないかもしれないと思いもします。
でも、父と母の蜜月がもう一度訪れることを
祈った私にとって、
その機会が与えられるだけで
心穏やかでいられます。
母に感謝です。心からそう思います。
一般論的に言えば、96歳の大腿骨骨折は
致命的だと言う人もいる事でしょう。
一般論的に言えば、89歳の老婆の老老介護は
無理だという人もいる事でしょう。
でも、私には信じる力が
一般的より少しだけ多く
備わっているのだと思います。
父を、母を、私は信じています。
◎
そういえば書き留めておきたい母のエピソードがあります。
不要品を捨てる捨てないの喧嘩の際、
客用の立派な座布団が5枚、
部屋の隅に積み上げられていました。
「この座布団、誰が使うの?」と私が言うと
「それは捨てたくない」といつもの返答。
「でも、お父さんは帰って来れたとしても、
座布団には座れないのだから、いらないよね。
お母さんだって、もう何年も座った事無いよね」
「そうだね。………」
「何か使うあてでもあるの?」
「うーん、そういうわけでもないんだけど……」
「お母さん、言いたいことがあるなら、
きちんと言った方がいいよ」
「じゃあ、1枚だけでもいいから残しておきたいの。」
「えっ! 何のために?」
「……もし私が死んだ時に
お線香を上げにきてくれる人がいたら、
多分、いないと思うけど……、でも、もし、
そういう人がいたら、
この座布団に座ってほしいと思っているの」
絶句!
というわけで
晴れて座布団6枚のうち2枚は
捨てられる運命から
逃れる事ができました。
母の意思を応援するのが
私の努めだと思ってきたのですから、
仕方ありません。


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