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2時間半の一時帰宅。

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父の、転倒後はじめての帰宅でした。
父にとっては約2ヶ月ぶりの我が家です。

転倒した際、
父はまさかその日、
家に戻って来られなくなるとは思ってもみなかったことでしょう。

ちょっと近所まで買い物に出かけたまま、
今日に至ったわけです。

その日のまま何も変わらぬ我が家に
一時帰宅とはいえ帰ることができるとは、
私には奇跡のように思えます。




朝から、特別上等のお寿司を
新宿の伊勢丹まで買いに行き、
介護タクシーをお願いして家まで
連れてきてくれたのは相棒です。

pp.jpg
介護タクシーに乗って帰宅した父

母はみそ汁を作り、
私は生野菜のサラダを作り、
道路まで迎えに出ました。

食卓テーブルに並んだごちそうを見るや、
「困ったなー、こんなに美味しい物を食べたら、
今夜からの食事が嫌になってしまう。困ったなー」
と父は何度も口にしました。

「ありがとう」の言葉は聞けませんでしたが、
父は間違いなく嬉しそうでした。

qq.jpg




その後、父は階段を時間をかけて2階までのぼり、
いろいろ気になっていたことを整理しようと思ったようでしたが、
いざその自由が与えられてみると、
気になっていることなど
ほとんどなかったのだ思いました。

心配のあまり父に付き添ってみると、
確認だけして終わってしまった感じで、
ちょっと拍子抜けしました。

帰れないと思うと
いろいろ思い描いてしまう雑事も、
あと一ヶ月後には帰れるとなると、
とりたててたいしたことは無いことに
変貌してしまうのでしょうか。



母に髪の毛のカットを頼んで、
少しこぎれいになった父は、3時に迎えにきてくださった
介護タクシーに乗って、M老健の自室へと帰りました。



それでも、耳の遠くなった母を
結構大声で叱る場面もありました。
父の暴君ぶりは、こんな日でも変わらないのかと思うと
悲しくなります。

母はそれだけ元気になったってことだから…と
さほど気にしていませんでしたが、
私はそんな父の態度が悲しくて仕方ありませんでした。

元気になれば、またぬくぬくと温存していた
わがままな自我を取り戻してしまうのでしょうか。

お父さん、
体が自由にならず、いらだつのは分かるけど
お母さんに甘えるのは程々にしてね。

お母さんは本当に愛情を持って
頑張っているのだから。



          ◎



帰りは相棒とふたりでM老健まで付き添いました。
無事に約2時間半の一時帰宅を終え、父は満足そうです。

病院を離れた途端、
世界は広がって行くのだとつくづく思いました。

リスク管理を徹底する病院にとっては、
患者の自由度の増大は、危険で厄介な事でしかありません。

一方老健は、自宅に帰る事を前提にしているので、
ひとりで出来る事を増やそうとしてくれるし、
外出も歓迎してくれます。
その分、リスクも増えるというわけです。

目的が異なるふたつの場所を経験しながら、
父は少しずつ少しずつ
転倒前の自分に近づこうとしているようです。




          ◎




相棒とふたりでM老健近くのカフェで休んでいたところ、
大きなお腹をした末子の姪がご主人と一緒に
突然顔を出してくれました。

妹と一緒に父の元を訪ねるついでに
私の顔も見ておこうということでした。

姪は双子の赤ちゃんを来月に帝王切開で出産する予定で、
相当に体が重そうでした。

私は子どもを生んだ経験が無いので、
そのお腹の重さががどれほどなのか想像もつきません。
でも顔つきを見ると姪は元気そうだし、何よりも若い!
きっと元気な双子の赤ちゃんを産んでくれることと思います。
一気にふたりのお母さんになるのかと思うと、
大変そうだけどちょっと羨ましいです。

久しぶりだったので、
話が弾んで、思いがけず
楽しいひとときを過ごすことができました。

姪は以前、一度病院へも父の見舞いに行ってくれたのですが、
その回復ぶりにびっくりしたと
夜メールをくれました。


日々は少しの変化でも、
しばらくぶりに父を見ると
びっくりするのだと思いました。

そうに違いありません。
だって、前回姪が父を訪ねた時は、
寝たきりになり、認知症になるかもしれない
と思った時期だったのですから。


妹は家にあったデスクライトを父のために
持ってきてくれたそうです。

わずか一ヶ月の入所なのに、
家財道具(?)は増えるものです。(笑)





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2 Comments

真砂  

遠音さま
応援ありがとうございます。
遠音さんのお父様は帰宅できなかったのですね。
父は帰る事が出来ただけでも幸せなのだと思います。

2017/12/29 (Fri) 20:37 | REPLY |   

遠音  

老健

真っ直ぐにご両親様を見ていらして とても好感が持てます。
父も老健を利用しました。 娘たちに近い所の老健でしたので
父は自分の家に帰ることが出来ませんでした。
お父様が お母様をねぎらって下さるといいですね。
90才はお母様もしんどいですよ。
あと一ヶ月・・すぐよね。応援してますねー

2017/12/27 (Wed) 21:50 | EDIT | REPLY |   

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