母の覚悟と気力が伝わってくるようで。
東京に雪が降っています。
街が真っ白に染まり、
見慣れた世界が神秘的に輝いています。
東京は雪にとても弱い都市なので、
あちらこちらで困っている方もいると思います。
見ているだけなら素敵に思える世界も、
その中で雪による被害にあってしまうと、
世界が一変してしまいます。
途方に暮れている方、
どうか無事に、この大雪を
やり過ごすことができますように。
◎
雪が降り出す前に
母に食事を届けに行きました。
母は、ひとりで父のベッドと
自分のベッドを交換していました。
父に少しでもトイレに近いベッドをとの思いからです。
驚くほどの気力です。
父が転倒する以前は、
体がだるくて何もする気がしないと、
ため息ばかりついていた母とは別人のようです。
父が転倒して寝たきりになるかもしれないと思った時、
こかの施設にお世話になることを家族みんなが考えました。
そのとき母は「私ひとりで暮らしてみたい」と言って
誰かの世話になる事を拒んでいました。
父が頑張ってリハビリを続け、
なんとか帰宅できそうな見通しがたった今、
母は父とともに暮らして行きたいと言います。
母は部屋の隅々を掃除して、
ガラス窓をきれいに磨き上げていました。
父と母の家はマンションなので、庭はありません。
けれど南側が公園に面していて、
そこに茂る木々がベランダの窓を通して
季節の移り変わりを教えてくれます。
父はその風景を気に入っていて、
ベランダに出ては日向ぼっこがてら、
木々や、公園を訪れる人を眺めるのが好きでした。
ベランダまで出ることができなくても、
窓ガラスがピカピカならば
少しは外の景色も美しく見えると
母は思っています。
父のために
母は頑張っています。
父が帰宅を待ちわびるばかりではなく、
母も父の帰りを待っているようです。
嬉しいです。
どうか父と母の一生懸命が報われますように。
私もそろそろ、余計なお世話を
控えなければと思います。
ここまで辿り着いたのだから、
もう好きなように生きてほしいです。
しょっちゅう喧嘩している事を
知っている私にとっては
不可解な気分にもなりますが、
やっぱりふたりは長年連れ添った
夫婦なのだと思います。
帰りがけ、捨てるにはもったいないので
持って行ってくれると嬉しいと、
昔懐かしいタンゼンをくれました。
ほとんど使っていないので、
自分では捨てられないので、
ちょっと使ったら、黙って捨てておいて欲しいという事でした。

よく見るとなかなか風情があって、私も当分は捨てられそうにありません。
母の思い出が少しずつ失われて行くようで
可哀想になりますが、
物を捨てられずにいた母の勇気ある断捨離なので
引き受けることにしました。


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街が真っ白に染まり、
見慣れた世界が神秘的に輝いています。
東京は雪にとても弱い都市なので、
あちらこちらで困っている方もいると思います。
見ているだけなら素敵に思える世界も、
その中で雪による被害にあってしまうと、
世界が一変してしまいます。
途方に暮れている方、
どうか無事に、この大雪を
やり過ごすことができますように。
◎
雪が降り出す前に
母に食事を届けに行きました。
母は、ひとりで父のベッドと
自分のベッドを交換していました。
父に少しでもトイレに近いベッドをとの思いからです。
驚くほどの気力です。
父が転倒する以前は、
体がだるくて何もする気がしないと、
ため息ばかりついていた母とは別人のようです。
父が転倒して寝たきりになるかもしれないと思った時、
こかの施設にお世話になることを家族みんなが考えました。
そのとき母は「私ひとりで暮らしてみたい」と言って
誰かの世話になる事を拒んでいました。
父が頑張ってリハビリを続け、
なんとか帰宅できそうな見通しがたった今、
母は父とともに暮らして行きたいと言います。
母は部屋の隅々を掃除して、
ガラス窓をきれいに磨き上げていました。
父と母の家はマンションなので、庭はありません。
けれど南側が公園に面していて、
そこに茂る木々がベランダの窓を通して
季節の移り変わりを教えてくれます。
父はその風景を気に入っていて、
ベランダに出ては日向ぼっこがてら、
木々や、公園を訪れる人を眺めるのが好きでした。
ベランダまで出ることができなくても、
窓ガラスがピカピカならば
少しは外の景色も美しく見えると
母は思っています。
父のために
母は頑張っています。
父が帰宅を待ちわびるばかりではなく、
母も父の帰りを待っているようです。
嬉しいです。
どうか父と母の一生懸命が報われますように。
私もそろそろ、余計なお世話を
控えなければと思います。
ここまで辿り着いたのだから、
もう好きなように生きてほしいです。
しょっちゅう喧嘩している事を
知っている私にとっては
不可解な気分にもなりますが、
やっぱりふたりは長年連れ添った
夫婦なのだと思います。
帰りがけ、捨てるにはもったいないので
持って行ってくれると嬉しいと、
昔懐かしいタンゼンをくれました。
ほとんど使っていないので、
自分では捨てられないので、
ちょっと使ったら、黙って捨てておいて欲しいという事でした。

よく見るとなかなか風情があって、私も当分は捨てられそうにありません。
母の思い出が少しずつ失われて行くようで
可哀想になりますが、
物を捨てられずにいた母の勇気ある断捨離なので
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